栃窪温泉・鷺乃湯(新潟県) 
とちくぼおんせん・さぎのゆ

DATA
所在地新潟県上越市柿崎区栃窪
入浴 2014年5月
泉質 ナトリウム−塩化物泉
泉温 源泉13度
形態 温泉旅館 男女別
効能 切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病など
露天風呂なし
開放度
清潔度
気軽度☆☆
地元度☆☆☆☆
穴場度☆☆☆☆
鄙び度☆☆☆☆☆
秘湯度☆☆☆☆☆
異色度☆☆☆
景色 
総合評価☆☆☆☆

上越市柿崎区にある栃窪温泉にやってきました。北陸自動車道の柿崎インターからクルマで20分ほど、海岸線からもそんなに遠く離れた場所でもないのに山の中、とにかく山の中にあります。道路は一本道で、舗装された道路を突き当たりまで行くと栃窪温泉が見えてきます。人里からも離れているわけでもないけど、思わず「ここはどこ?」なんて思ってしまうぐらい静かな場所にありました。
気が付いたら携帯も圏外になっていました。山に囲まれているので、ちょうど電波が入らないところだったのでしょう。木造のとても年季の入った建物が時代の流れに逆らうように建っていて風情もたっぷり、というか文化財級の佇まいです。普通ならとても入れるような雰囲気ではないのですが、道路脇に「営業中」という幟がたっています。ちょうど玄関前で掃除をしている女将さんがいたので声をかけてみました。
ちょうどタケノコを採りに行って帰ってきたところだそうな。出かけてなくてよかったと笑顔で迎えてくれました。入浴料金を払って中に入ると、宿泊料金や休憩料金、それから料理の値段の札がいくつか並んでいました。人の気配を感じないように思われましたが、それなりに需要があるのでしょう。こんな辺鄙なところって感じがするけど、それがかえって魅力的なのですね。
ここまで読んでいるとずいぶんと怪しそうなところだなと思われてしまうかもしれないけど、いやそんなことは全然ありません。むしろ何だかとても暖かい雰囲気さえも漂っています。さっそく浴場に向かうと、それは右手前側にある一番ボロそうな建物でした。玄関へのアプローチを戻るように渡り廊下を通っていくのですが、その先に男女の暖簾が揺れていました。建物に入る前までは、倉庫か廃屋だと思っていたのでちょっとびっくり。
扉はガタガタといってなかなか開きません。そして開いたはいいけれど、なかなか閉まらない、そんなガタつきさえも魅力的に感じてしまいます。トワイライトゾーンに引き込まれていく感じです。脱衣所は狭いけれど、見たことも無い年季の入ったドライヤーまで用意してあります。ところどころクモの巣が気になりますが、それもこのロケーションを考えれば愛嬌です。
浴室も狭いですけど、幸い誰もいなかったので貸切状態で利用できました。小さな湯舟には木板の蓋がしてあります。沸かし湯なので冷めないように蓋がしてあるそうです。その中には深緑色がかった茶色をした湯が入っていました。透明度は15センチぐらいでしょうか、けっこう濃厚な湯のように感じます。鉄の錆びたような臭いもありました。さっそく体を流して湯舟に入りますが、予想に反してツルンと柔らかい浴感がありました。
熱すぎずぬるすぎないちょうどいい湯加減です。底の一部に熱い部分があり、そこが熱源なのでしょうか?壁には太いパイプがあり、コックをひねると冷たい透明の水が出てきます。これが源泉のようで、飲泉用にかコップも用意していありました。湯舟が熱い場合には源泉で調整するように書かれています。錆のような酸味のあるしょっぱさを感じる水で、あまり美味しくはありません。
それにしても本当に静かです。虫の羽ばたく音が聞こえるぐらい、街の喧騒どころか人々の生活音すら聞こえません。脱衣所には入浴の感想を書くノートが置かれていました。けっこう遠くから来ている人が多いのに驚きます。噂を聞きつけてくるのでしょうね。自分もそのひとりだけど、噂どおり、いや、それ以上の感動を覚えさせてくれます。いつまでも末永く続けてほしい、心底そう願う温泉施設でした。





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