老松温泉・喜楽旅館(栃木県) 
おいまつおんせん・きらくりょかん

DATA
所在地栃木県那須郡那須町湯本
入浴 2011年11月
形態 温泉旅館 男女別
露天風呂なし
開放度
清潔度☆☆
気軽度☆☆
穴場度☆☆☆☆
鄙び度☆☆☆☆
異色度☆☆☆☆
湯治度☆☆☆☆
景色 ☆☆
総合評価☆☆☆☆

那須湯本温泉は、俳人の松尾芭蕉も宿泊したという古くから知られる温泉地で、傷ついた鹿が温泉で癒しているのを見て発見されたという伝説があります。その伝説の名前のついた「鹿の湯」という共同湯がとても有名です。温泉街にはいくつもの旅館が建ち並びますが、湯川を挟んで対岸にポツンとあるのが老松温泉「喜楽旅館」です。鄙びた情緒が味わえると、温泉好きの間でも噂の温泉宿です。
日帰り入浴も積極的に受け付けてくれているとのことで、いよいよ訪れることにしました。あらかじめ地図で確認しておくと、川沿いにあるのですぐにわかりそうです。温泉街に向かう大きなS字カーブの途中から細い道に入っていきます。やがて行き止まりというか駐車スペースが見えてくると、そこに御影石に刻まれた「老松温泉」の文字がありました。鄙びを想像していたけど、この案内表示はそれなりに新しいように感じました。
そこから徒歩で1分ほどで宿に辿り着きます。・・・が、一瞬言葉を失ってしまうようなボロ臭い建物がありました。ボロ臭いというより、建物の一部は完全に崩壊しています。けれども入口のところには入浴料金などの表示が掲げてあり、営業していそうです。受付は反対側の建物って書いてあるので、反対側の建物の入口を開けるとすぐそこに番人らしきおじさんがコタツに入ってテレビを観ていました。
入浴料金を払うと「ごゆっくりどうぞ」と気前のいい返事をいただき、いざ浴場に向かいます。玄関を入るとスリッパに履き替えて、目の前の木造階段を下りていきます。階下におりると、廊下と客室がありました。崩壊していた方面には荷物が積んであり、行き止まりのようになっています。こんな感じですから廃屋同然なものと思っていたのですが、補修を繰り返しているのか、客室や浴室に向かう廊下はわりと綺麗になっていました。
宿泊なんかできるのか?と疑いたくなりますが、湯治客などがわりといるようです。平日の昼間に訪れたのですが、先客が男湯にも女湯にもいるようです。脱衣所はけっこう狭く、棚とカゴ、そしてベンチがひとつあるだけです。1人ずつ着替えるのがいいかなって広さでした。薄暗いので微妙な感じですが、かなり年季の入った棚やベンチです。浴室は内湯のみです。ガラス戸をあけて入ると、初老の先客が1名でした。
湯舟は縦に2つ並んでいて、それぞれ2〜3名ずつ入れそうな大きさです。白濁というかネズミ色をした湯で、透明度は40センチほど、わりとあっさりとした印象の湯です。このときは手前の湯舟だけにしか湯が張られていません。先客の方は常連のようで、通常なら両方に湯が入っているそうですが、東日本大震災の影響で客足が途絶え、燃料代の問題から片方に絞っているのだそうです。
このときは震災からまだ半年過ぎたところで、まだまだ観光客が戻ってくるには時間のかかる気配がありました。湯舟には熱湯に近い湯がチョロチョロと注がれていましたが、少しずつだったのでとてもぬる目の湯になっています。思わず目を細めてしまうほど、まったりとできるぬる〜い湯です。ところが汗がどんどん噴き出してきて、汗だくになってくるのはすごいですね。硫黄泉特有のスッパそうな臭いがありますが、そんなにキツイ臭いではありません。
先客が飲泉もできると教えてくれました。湯舟には2つのパイプがあるのですが、一方は加熱の熱い湯、もう一方は非加熱の冷たい湯ということで、どちらも源泉とのことでした。コップが並んでいるのでさっそく冷たい方を飲んでみると、意外にもスッと飲めてしまうマロヤカな味です。もちろん好みが分かれそうですが、甘いような苦さと泥臭い硫黄臭がありました。その後、先客が出てしまうと静寂さが戻り、本当に静かな時間を過ごすことができました。意外な面白い湯に出会えて非常に満足した温泉でした。





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